700C化計画 #3|手組みホイール AT25リムとシマノQC400ハブで組んでみた

H PLUS SON AT25とSHIMANO QC400で手組みした700Cホイール

SURLY Stragglerの700C化に向けて、久しぶりにホイールを自分で組んでみました。

選んだのは、H PLUS SON AT25にSHIMANO QC400、Sapim Raceを組み合わせた32Hのホイール。

リムとハブの寸法を自分で測り、スポーク長を計算するところからスタートしました。

実際にやってみると、スポークを組むこと自体よりも、その後の振れ取りとセンター出しが難しい。

前後を完成させるまでに、合計7〜8時間ほどかかりました。

そして完成したホイール単体の重量は、前後で2,004g。

正直、この数字を見たときは「思ったほど軽くならなかった」と感じました。

ところが、タイヤとチューブ、クイックリリースまで含めて650Bホイールと比較すると、前後で556g軽量化。

最終的には、想像していたより大きな重量差になりました。

この記事では、実際に使ったパーツ、スポーク長の計算、組んでみて苦戦したところ、スポークテンション、重量などをまとめます。


今回組んだ700Cホイール

まずは完成したホイールの構成から。

パーツ使用したもの
リムH PLUS SON AT25 700C / 32H / Polished
フロントハブSHIMANO HB-QC400 / Silver / 32H
リアハブSHIMANO FH-QC400-HM / Silver / 32H
スポークSapim Race
ニップルHOSHI 真鍮ニップル
組み方前後32H・3クロス・逆イタリアン
リムテープPanaracer Poly-Lite 18mm
タイヤContinental Gatorskin 700×32C
チューブContinental
スポークねじ部リンシードオイル

軽量ホイールを作ることだけが目的ではなく、往復約50kmの自転車通勤で使えることを優先。

32H、Sapim Race、真鍮ニップルという、どちらかというとオーソドックスな構成にしました。

見た目については、Stragglerに合わせてリムとハブをシルバーで統一しています。

H PLUS SON AT25とSHIMANO QC400で手組みした700Cホイール

スポーク長を決めるためにERDとハブ寸法を実測

ホイールを組む前に、まずスポーク長を決める必要があります。

今回はメーカー公称値だけに頼らず、リムのERDとハブ寸法を自分で測ってみました。

H PLUS SON AT25のERDは、

実測594mm。
測るのミスってるかもしれないのでメーカー公称値の595mmでOKな気がします。

ハブについても、PCDや左右のフランジ位置などをノギスで測定しました。

H PLUS SON AT25のERDとSHIMANO QC400のハブ寸法を実測したメモ

初めてなので、どこからどこまで測ればいいのかを確認しながらの作業。デジタルノギス使ってますが測るの難しい。

きれいな図ではありませんが、実際にスポーク長を計算するときに使ったメモです。

測定にはWECAN JAPAN WJ-561のノギスを使用しました。

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スポーク長は2つの計算機で確認

実測した数値を使ってスポーク長を計算します。

今回は計算ミスが怖かったので、2つのスポーク長計算サイトで確認しました。

  • 山音製輪所 スポーク長計算アプリ
  • 自転車探検! スポーク長計算器

それぞれに実測値を入力。

計算結果には左右で多少の差がありましたが、最終的には前後左右すべて、

290mm

のSapim Raceを注文しました。

前後左右でスポークを分けず、1種類で組めるのは管理もしやすいです。

実際に290mmで組んでみると少し差があった

実際に組んでみると、4か所すべて290mmで組むことはできました。

ただし、仕上がりには少し違いがありました。

位置スポーク長(計算値)組んだ結果
フロント・ローター側290mm(289.0)少し長い
フロント・反ローター側290mm(290.2)ちょうどいい
リア・ドライブ側290mm(288.5)少し長い
リア・反ドライブ側290mm(289.8)ちょうどいい
スポークが少し飛び出ている
ちょうど良い感じ

フロントのローター側とリアのドライブ側については、290mmだと少し長めでした。

今回はそのまま問題なく組めましたが、もう一度同じ構成で組むなら、この2か所は1〜2mm短いスポークも検討すると思います。

ただし、これは今回自分で測定したERDやハブ寸法をもとにした結果です。

測定誤差などもあるため、「AT25+QC400ならこの長さでOK」という意味ではありません。

同じ構成で組む場合でも、実際に寸法を確認してスポーク長を計算した方がいいと思います。


前後32H・3クロスで組んだ

スポークは前後とも32本。

組み方も前後とも3クロスにしました。

用途はレースではなく、片道約25kmの自転車通勤。

軽量化だけを狙うのではなく、ある程度耐久性も重視したかったので、32H+3クロスというオーソドックスな構成です。

スポークはSapim Race、ニップルはHOSHIの真鍮製。

スポークのねじ部分にはリンシードオイルを使用しました。

H PLUS SON AT25とSapim Raceを3クロスで組んでいる途中

ネットではリアはJIS組が良いという情報がありますが、パークツールの動画を参考に今回は前後とも逆イタリアンで組んでいます。

スポークの通し方を何度も確認しましたが、ここまでは思っていたよりスムーズ。

本当に時間がかかったのは、この後でした。


一番難しかったのはセンター出し

今回使った主な工具はこちら。

工具使用したもの
振れ取り台MINOURA FT-1
センターゲージMINOURA FCG-310
スポークテンションメーターZMART 自転車スポーク張力計
スポークレンチPARK TOOL レッド
ノギスWECAN JAPAN WJ-561

初めてのホイール組みで、一番時間がかかったのがセンター出しでした。

横振れを取る。

縦振れを見る。

センターゲージで確認する。

センターを動かすと、また振れやテンションが変わる。

これを何度も繰り返します。

やっているうちに個人的に調整しやすかったのが、テンションが高くなる側を先にある程度まで上げて、テンションが低い側で調整していく方法でした。

フロントならローター側。

リアならドライブ側。

高テンション側を許容できる範囲まで上げておき、反対側を調整しながらセンターを追っていく方が、自分には分かりやすかったです。

これはホイール組みの正解という意味ではなく、今回初めて組んでみて、自分にはこのやり方が調整しやすかったという話です。


スポークテンションも測りながら調整

テンションの確認には、ZMARTのスポーク張力計を使いました。

使用したテンションメーターの換算値では、最終的におおよそ次の範囲になりました。

フロント

  • ローター側:約110〜125kgf
  • 反ローター側:約75〜85kgf

リアについても同じように左右差があり、

ドライブ側が高く、反ドライブ側が低い

状態です。

スポークテンションメーターでSapim Raceの張力を確認
SPOKE SIZE 1.8mmの箇所が該当

完全に同じ数値へ揃えることだけを目標にせず、振れとセンターを確認しながら全体を調整しました。

このあたりは、もう少しホイールを組んで経験を積んでみたいところです。


前後を組むのに7〜8時間

作業時間は、ホイール1本あたり3〜4時間ほど。

前後合わせると、

7〜8時間くらい

かかったと思います。

スポークを通してホイールらしい形になるところまでは、それほど時間はかかりませんでした。

そこからが長い。

「こっちを締めたら、こっちがズレる」

を何度も繰り返します。

特にセンターを合わせるのに時間がかかりました。

それでも少しずつ振れが小さくなり、センターも合ってくる過程は結構面白い。

時間はかかりましたが、苦痛というよりは試行錯誤している時間の方が長かったです。


ホイールの部品代は約4.1万円

今回ホイールを組むために購入した主な部品を合計すると、こんな感じです。

パーツ購入価格
H PLUS SON AT25 前後23,100円
SHIMANO HB-QC400約4,100円
SHIMANO FH-QC400-HM約5,000円
Sapim Race約6,300円
HOSHI 真鍮ニップル1,320円
リンシードオイル750円
合計40,570円

約4.1万円でした。

これとは別に、振れ取り台、センターゲージ、テンションメーター、スポークレンチなどの工具が必要です。

初めて1セット組むためだけに工具まで購入するなら、「手組みした方が安い」とは言いにくいと思います。

ただし工具は次のホイールでも使えます。

実際に今回組んでみて、また別のホイールを組みたいと思っているので、個人的には揃えてよかったです。


ホイール単体は2,004g。思ったほど軽くない

完成した700Cホイール単体の重量も測ってみました。

実測重量
フロント898g
リア1,106g
前後合計2,004g

前後で2kgを少し超えました。

正直、この数字を最初に見たときは、

「思ったほど軽くならなかったな」

という印象でした。

原因のひとつがハブです。

組む前に単体で測ってみると、

ハブ実測重量
SHIMANO HB-QC400192g
SHIMANO FH-QC400-HM390g
前後合計582g

前後のハブだけで582g。

特にリアハブは390gあります。

ローターカバーが4gぐらい
SHIMANO HB-QC400とFH-QC400-HMの実測重量

QC400を選んだのは、軽さよりも、

  • シルバー
  • 32H
  • クイックリリース
  • センターロック
  • 比較的安価で入手しやすい

という条件を優先したため。

32H、Sapim Race、真鍮ニップルという構成も含め、もともと超軽量ホイールを狙ったものではありません。

それでも2,004gという数字だけを見ると、もう少し軽いハブを選べばよかったかな、とは思いました。

ところが、タイヤまで取り付けて650Bと比較すると印象が変わります。


タイヤまで付けると650Bより556g軽くなった

650B×47と700C×32はほぼ同じ外径

これまで使っていた650Bホイールと、今回組んだ700Cホイールを実際に使う状態に近づけて重量を測りました。

比較したのは、

ホイール+タイヤ+チューブ+クイックリリース

の状態です。

結果はこちら。

650B700C
フロント1,803g1,488g-315g
リア1,938g1,695g-243g
前後合計3,741g3,183g-558g

なんと前後で、

556g軽くなりました。

ホイール単体の2,004gだけを見たときとは、かなり印象が違います。

700C フロントホイール 1488g
650Bと700Cのタイヤ・チューブ・クイックリリース込み重量比較 700C リア
700C リアホイール 1695g
650B フロントホイール 1803g
650B リアホイール 1938g

今回の700CにはContinental Gatorskin 700×32Cを使用。

これまでの650Bは47Cです。

リム、ハブ、スポークが違うため、この558gがすべてタイヤとチューブによる差とは言えません。

ただ、47Cから32Cへ変更したことで、タイヤとチューブの重量差がかなり効いている可能性はありそうです。

そしてタイヤやチューブはホイールの外周側にあります。

単純な重量差だけでなく、漕ぎ出しや加速で違いを感じるのかも気になるところ。

これは数字だけでは分からないので、実際の通勤で確かめてみます。


初めてホイールを組んでみた感想

スポーク長を計算して、スポークを注文して、一本ずつ組んで、振れを取る。

やる前はかなり難しそうに感じていました。

実際にやってみても簡単ではなく、特にセンター出しには時間がかかりました。

それでも、自分で測った寸法からスポーク長を計算して、最終的に一本のホイールとして完成するのは面白い。

そして今回ちょっと意外だったのが重量です。

ホイール単体では前後2,004g。

「思ったより重い」というのが最初の感想。

しかし、タイヤ・チューブ・クイックリリースまで含めて比較すると、650Bより前後で558g軽くなりました。

軽量化だけを目的に組んだホイールではありませんが、結果的には実際に使う状態でかなり重量差が出ています。

前後を組むのに7〜8時間。

効率だけを考えれば、完成ホイールを買った方が圧倒的に楽です。

それでも、また別のホイールを組んでみたいと思っています。

H PLUS SON AT25とSHIMANO QC400で完成した700C手組みホイールを装着したSurly straggler
H PLUS SON AT25とSHIMANO QC400で完成した700C手組みホイールを装着したSurly straggler

次は650B×47Cと700C×32Cを実走比較

ホイールは完成しました。

次はこの700CホイールをStragglerに装着して、これまで使っていた650Bとの違いを実際の通勤で比較します。

今回の変更では、

650B×47C → 700C×32C

となり、タイヤ・チューブ・クイックリリースまで含めた重量は、

3,741g → 3,183g

前後で558g軽くなっています。

ただし、これだけ多くの条件が変わると、「700Cだから速くなった」と単純には判断できません。

タイヤ幅も違えば、タイヤ自体も違う。

ホイールの構成や重量も違います。

そこで次回は、いつもの片道約25kmの通勤ルートを使って、

  • 25kmの走行時間
  • 平均速度
  • 平均心拍
  • 平坦区間での速度
  • 漕ぎ出しや加速の感覚
  • 巡航のしやすさ
  • 乗り心地
  • 650B×47Cと700C×32Cの体感差

などを確認してみます。

ホイール単体では期待したほど軽くなかった700C。

タイヤまで含めると556g軽くなったことで、実際の走りはどう変わるのか。

いつもの通勤ルートで試してみます。

700C化計画 #4へ続く。

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